2026年5月更新

40代IT転職で「なぜ今転職するのか」をどう答えたか

面接で、ほぼ毎回聞かれた質問があります。

「なぜ今、転職するんですか」

シンプルな質問なのに、最初はうまく答えられませんでした。
ここをどう詰めていったかを、実体験で書いておきます。

転職理由の整理は、覚悟を固めるの段階で一度やっておくと面接が楽でした。
ここでは、その整理を面接でどう言葉にしたか、に絞って書きます。

この質問は高確率で聞かれた

「なぜ今転職するのか」は、体感でほぼ毎回聞かれました。
一次でも二次でも、言い回しを変えて出てきます。

  • 「転職のきっかけは何ですか」
  • 「なぜこのタイミングなんですか」
  • 「今の会社に不満があるんですか」

質問の形は違っても、聞きたいことは同じだと感じました。「この人は何を求めて動いているのか」「すぐ辞めないか」。

ある二次面接では、一次でも同じ質問をされていたのに、また聞かれました。聞く人が変わると、求めるものが変わる。一次は「経緯の確認」、二次は「覚悟の確認」という感じでした。40代だと、特に長く働いてくれるかどうかを慎重に見られます。

給料や不満だけでは弱かった

最初の頃、自分は正直に近いことを言っていました。
「もう少し条件の良いところで働きたい」
「今の環境が合わなくなってきた」

嘘ではないのですが、これだと反応が薄かったです。

あるとき「今の職場に不満があるということですか」と追い打ちで聞かれました。そこで「不満というより…」と答えながら、うまくまとめられなかった。その回は落ちました。あとから振り返って、不満を入口にすると、相手に「辞める理由の人」として分類されてしまうと気づきました。

給料の話だけだと「うちより高いところがあれば、また動くのでは」と思われます。不満の話だけだと「環境が変わればまた不満が出るのでは」と思われます。どちらも、採用のリスクに見えるんだと、途中で気づきました。

今後やりたいことにつなげた

答え方を変えたのは、不満の話を「今後やりたいこと」に着地させてからです。

不満をきっかけとして触れるのは構わない。
でも、終わりは前向きな方向にする。
この順番にしただけで、相手の反応が変わりました。

例えば、こういう流れです。

「今の環境だと、プレイング寄りの動きが多くて、
もう少しPMとして腰を据えて動ける場所に移りたいと思った」

不満そのものではなく、「次にやりたいこと」を主語にしています。

この形にしてから、面接官のうなずき方が変わりました。「辞めたい人」ではなく「次に進もうとしている人」として受け取ってもらえている感覚がありました。やりたいことが具体的だと、辞める理由より入る理由として聞こえます。この切り替えが、一番効きました。

キャリアの方向性を添えた

やりたいことに、もう一段、方向性を足すようにしました。

「目先の案件をこなすだけでなく、
中長期でプロダクトに関わっていく働き方に移したい」

くらいの温度感です。

大きなキャリアプランを語る必要はありませんでした。むしろ、壮大すぎると現実味がなく聞こえます。あるとき「5年後はどうなりたいですか」と聞かれて、準備していた大きめのプランを話したら、「それは少し先の話ですね」と返されてしまいました。一段先の方向が見えている、くらいがちょうどよかったです。

キャリアプランの聞かれ方は一次面接で見られていたことにも書きました。

市場価値の確認という側面

正直に言うと、転職活動には「今の自分がどう評価されるか確かめたい」という気持ちもありました。40代になって、自分の市場価値が分からなくなっていたからです。

ただ、これを理由としてそのまま面接で言うと弱いです。「力試しで来ました」に聞こえると、本気度を疑われます。一度、「まずは市場の感触を確かめたいと思いまして」と話したら、面接官の反応が明らかに薄くなりました。

なので、市場価値の確認は自分の中の動機として持っておくだけにして、面接では出しませんでした。本音と建前を分けて持っておく感覚は転職の現実とも近いです。

現職否定にならないようにした

気をつけたのは、今の会社を悪く言わないことです。

不満を強く出すと、聞いている側は良い気がしません。「うちに来ても、いつか同じように言うんだろうな」と思われます。

一度、前職の進め方を少し批判的に話してしまった回がありました。その瞬間、面接官の表情が固くなったのを覚えています。質問への答えを続けながら、「あ、言いすぎた」と自分でも分かった。その回は落ちました。

なので、現職には感謝の温度を少し残しつつ、「環境が悪い」ではなく「次の段階に移りたい」という言い方に統一しました。退職理由そのものの伝え方は退職理由をどう説明したかに分けて書いています。

面接ごとに少し調整した

同じ答えを全社で使い回す、ということはしませんでした。
軸は変えず、会社ごとに少しずつ寄せました。

  • 自社開発の会社なら「プロダクトを育てる働き方」を強めに
  • 受託の会社なら「いろんな現場で活かせる進め方」を添える
  • マネジメント募集なら「腰を据えてチームを見たい」を前に

嘘をつくのではなく、自分の中にある複数の動機から、その会社に合うものを前に出す感覚です。これをやると、「なぜ今」と「なぜこの会社」が自然につながりました。

自社開発の会社で「プロダクトに長く関わりたい」という話をしたとき、面接官が「うちがまさにその形なんですよ」と話し始めてくれた回がありました。二つを別々に答えるより、地続きにした方が説得力が出ました。

最終的にしっくりきた回答

何社か重ねて、最後に落ち着いたのは、こういう形でした。

まず一言で置きます。

「今の環境だと、PMとして腰を据えて動ける範囲が限られてきたと感じたからです」

そのあと、30秒くらいで補足します。

「プレイング寄りの動きが続いていて、
もう少し上流から中長期で関われる場所に移したいと思いました。
年齢的にも、次は長く腰を据えられるところを選びたいと考えています」

この形にしてから、相手のうなずきが増えました。ある面接では、この回答のあと面接官が「それ、まさにうちが求めているものと合っています」と言ってくれた回がありました。不満から入らず、やりたいことと方向性で組み立てて、現職は否定しない。結論ファーストで短くまとめる作法は一次面接で見られていたことと同じです。

まとめ

「なぜ今転職するのか」で意識していたのは、

  • 給料や不満だけで終わらせない
  • 今後やりたいことに着地させる
  • キャリアの方向性を一段添える
  • 現職否定にしない
  • 会社ごとに少し寄せる

この辺でした。

本音では条件も不満もあります。ただ、それを面接でそのまま出すか、前向きな動機に変換して出すかで、印象はかなり変わりました。辞める理由ではなく、入る理由として話せたとき、一番自然に聞こえたと思います。

退職理由の伝え方は退職理由をどう説明したか、転職理由の土台づくりは覚悟を固めるにまとめています。

本記事は筆者の実体験をもとに書いています。転職エージェントや採用担当者の公式見解ではありません。