2026年5月更新

40代IT転職で退職理由をどう説明したか

退職理由は、面接で必ず触れられました。

本音をそのまま言うわけにもいかず、かといって嘘も言いたくない。

ここをどう説明したか、そして面接官がどう反応したかを、実体験で書いておきます。

「なぜ今転職するのか」とセットで聞かれることが多かったです。
転職理由そのものの組み立ては「なぜ今転職するのか」をどう答えたかに書いたので、ここでは退職理由の伝え方に絞ります。

本音と建前は多少違っていた

正直に言えば、退職したかった理由には本音の部分がありました。評価への納得のいかなさ。この先のポジションが見えにくいこと。働き方が変わらない感覚。こういうものが積み重なっていました。

でも、これを全部そのまま面接で並べると、ただの不満になります。本音は本音として持っておいて、面接で話す形は少し整える。この「多少の違い」は、嘘ではなく、伝え方の調整だと考えていました。

本音と建前を分けて持つ感覚は、転職活動全体で必要でした。この距離感は転職の現実でも触れています。

会社批判にならないよう注意した

一番気をつけたのは、今の会社を悪く言わないことでした。退職理由を聞かれると、つい不満が出やすいです。「評価制度がよくなくて」「上が分かってくれなくて」。こういう言い方は、その場の空気を確実に悪くしました。

一度、前職の体制を少し批判的に話してしまった回があります。「マネジメントの意思決定が遅くて、現場が動けない構造でした」と言った瞬間、面接官の表情が固くなったのを今でも覚えています。聞いている側からすると、「うちでも同じことを言うんだろうな」と感じるんだと思います。

なので、会社や人を主語にして悪く言うのはやめました。不満があっても、それを「環境のせい」にしない言い方を探しました。

不満だけを話すと印象が悪い

退職理由が不満で終わると、印象は良くなりませんでした。理由は単純で、不満は「逃げ」に聞こえるからです。「嫌なことから離れたいだけ」に見えると、また同じ理由で辞めると思われます。

40代だと、ここを特に見られている感覚がありました。長く働いてくれるかを慎重に判断されるので、不満ベースの退職理由はリスクに映ります。不満で終わった回は、退職理由のあとに沈黙が入ることがありました。「なるほど」と言われても、温度は上がらず、次の質問も硬くなった。

不満を一切隠す必要はありませんでした。ただ、不満で話を終わらせないことが大事でした。

今後やりたいことへ話をつないだ

答え方を変えたのは、退職理由を「やりたいこと」に着地させてからです。きっかけとして現状の話に少し触れる。でも、終わりは前向きな方向にする。この流れにすると、同じ内容でも印象が変わりました。

不満を「だから辞めたい」で止めず、「だから次はこうしたい」までつなぐ。この形にしてから、退職理由のあとに「じゃあ、うちでは何をやりたいですか」と自然に話がつながる回が増えました。退職理由が、次の質問への橋になっていた感覚です。

「入る理由に変換する」感覚は「なぜ今転職するのか」をどう答えたかと同じです。

実際に使った説明例

実際に使っていた言い方を、いくつか書いておきます。模範解答というより、自分が口に出して落ち着いたメモです。

働き方を変えたいとき

「今の環境では、プレイング寄りの動きが中心で、
もう少しPMとして上流から関わる時間を増やしたいと思いました」

不満を言わずに、やりたい方向だけを出しています。

役割の頭打ちを感じたとき

「今のポジションでひと通り経験できたので、
次はもう少し裁量の大きい場所で腰を据えたいと考えました」

「頭打ち」とは言わず、「ひと通り経験できた」に言い換えています。

長く働ける場所を探しているとき

「年齢的にも、次は長く腰を据えて働ける環境を選びたくて、
そのために一度きちんと動こうと思いました」

40代であることを、マイナスではなく動機の自然さとして使いました。

どの言い方も、現状を否定していません。「悪いから出る」ではなく「次に進みたいから動く」に統一しています。

面接官の反応

不満ベースで話していた頃は、退職理由のあとに少し沈黙が入ることがありました。「なるほど」とは言われても、温度は上がりませんでした。

やりたいことに着地させる形に変えてからは、退職理由からそのまま「じゃあ、うちでは何をやりたいですか」に話がつながる回が増えました。退職理由が、次の質問への橋になっていた感覚です。ここがスムーズだと、面接全体のテンポも良くなりました。

一方的に話しすぎないことも効きました。退職理由は長く語らず、短くまとめて相手に返す。この作法は一次面接で見られていたことに書いた結論ファーストと同じです。

まとめ

退職理由の説明で意識していたのは、

  • 本音は持っておいて、伝え方だけ整える
  • 会社や人を主語にして悪く言わない
  • 不満で話を終わらせない
  • 今後やりたいことに着地させる
  • 短くまとめて相手に返す

退職理由をきれいに飾る必要はありませんでした。ただ、「悪いから出る」を「次に進みたいから動く」に変えるだけで、面接官の反応はずいぶん違いました。不満は誰にでもあります。出すか、変換して出すか、その差だけだったと思います。

転職理由の組み立ては「なぜ今転職するのか」をどう答えたか、土台づくりは覚悟を固めるにまとめています。

本記事は筆者の実体験をもとに書いています。転職エージェントや採用担当者の公式見解ではありません。