40代IT転職、転職理由の作り方|ポジティブだけでは見抜かれた話
「転職理由」は、書類にも面接にも形を変えて何度も出てくるのに、単体でどう組み立てるかを整理していませんでした。 最初はポジティブな理由だけで固めていましたが、ある二次面接でのやり取りをきっかけに、考え方を変えることになりました。
退職理由そのものの伝え方は退職理由をどう説明したか、 「なぜ今転職するのか」への答え方は「なぜ今転職するのか」をどう答えたかに分けて書いています。 ここでは、その2つと志望動機をまとめた「転職理由」そのものの組み立て方に絞って書きます。
転職理由・退職理由・志望動機は何が違うか
最初、この3つをあまり区別せずに準備していました。整理すると、役割はそれぞれ違います。
- 退職理由:前職を辞める理由そのもの。過去に向いた説明
- 転職理由:退職理由も含めて「なぜ今、この転職活動をしているのか」という全体の説明
- 志望動機:「なぜこの会社なのか」という、応募先ごとの個別の理由
転職理由は、退職理由と志望動機の間をつなぐ、いちばん土台になる部分でした。ここが曖昧なまま面接に臨むと、 退職理由と志望動機がバラバラに聞こえてしまいます。
最初はポジティブな理由だけで固めていた
転職活動の序盤、自分が用意していた転職理由は、ほぼ全部ポジティブな内容でした。 「もっと上流に関わりたい」「マネジメントの幅を広げたい」といった、前向きな言葉だけを並べていました。
現職への不満や本音は、面接では一切出さない方針でした。これは「なぜ今転職するのか」をどう答えたかで 書いた「現職否定にならないようにする」という学びに沿った動き方でもありました。実際、一次面接ではこの形で特に問題なく通過していました。
二次面接で言われた「ネガティブな理由もあるはず」
流れが変わったのは、ある会社の二次面接でした。用意していたポジティブな理由をひと通り話し終えたあと、 面接官からこう聞かれました。
「ここまでポジティブな理由ばかり聞きましたけど、ぶっちゃけ、ネガティブな理由も一つくらいあるんじゃないですか?」
正直、一瞬詰まりました。「前向きな理由だけで話す」という自分の中の前提を、そのまま崩される質問だったからです。 とっさに、それまで出さないようにしていた本音の一部を、正直に付け加えました。
あれは人となりを見られていたんだと気づいた
振り返ると、あの質問は転職理由の内容そのものを確認するためというより、「取り繕わずに答えられる人か」を 見るための質問だったんだと思います。40代は特に、きれいに準備された回答を持ってくる応募者が多いぶん、 その前提を一度崩したときの反応で、素の人となりを観察されている感覚がありました。
全部ポジティブで固めた回答は、聞こえは良くても、深掘りされると急に薄っぺらく聞こえるリスクがあります。 一つでも正直な要素を混ぜておけば、崩されたときにも慌てず答えられます。
転職理由の組み立て方を変えた
この経験以降、転職理由の組み立て方を少し変えました。すべてをポジティブに塗り替えるのではなく、 正直な要素を一つだけ持っておき、それをネガティブなまま終わらせず、前向きな行動につなげる形にしました。
「不満をゼロにする」でも「不満をそのまま話す」でもなく、「一つは正直に認めた上で、次の行動に変換する」という中間の形です。 これは退職理由をどう説明したかで書いた「悪いから出る」を 「次に進みたいから動く」に変える考え方とも近いですが、転職理由ではさらに一段、正直さの比重を意識的に残すようにしました。
実際に使った転職理由の型
最終的に落ち着いたのは、次のような組み立てでした。
- 正直な要素を一つ、軽く触れる(例:「プレイング寄りの動きが続いていて」)
- それを不満として終わらせず、次にやりたいことにつなげる
- キャリアの方向性を一段添える
- 応募先に合わせて、強調する部分を少し寄せる
例えば、こういう流れです。
「正直なところ、今の環境だとプレイング寄りの動きが多くて、腰を据えてマネジメントに集中できる範囲が 限られてきたと感じています。そこで、もう少し上流から中長期でプロダクトに関われる場所に移りたいと考えました」
最初の一文で正直さを一つ見せてから、後半で前向きな方向に着地させる形です。ここで挙げた個別のテクニックは 「なぜ今転職するのか」をどう答えたかにもう少し詳しくまとめています。
書類と面接での使い分け
職務経歴書や志望動機欄などの書類では、転職理由を長々と書く必要はありませんでした。 前向きな理由を簡潔に一〜二文で示し、詳しい経緯や正直な部分は面接で聞かれたときに補足する、 という役割分担にすると書きやすかったです。
書類用の志望動機の型は志望動機の書き方|書類用の例文とNG例、 面接での深掘りへの対応は面接で聞かれた志望動機の答え方にまとめています。 転職理由を伝え終えた後、内定から入社までにやったことは円満退職|引き継ぎ・伝え方に書いています。
まとめ
転職理由は、退職理由と志望動機をつなぐ土台の部分です。最初はポジティブだけで固めていましたが、 二次面接で「ネガティブな理由もあるはず」と聞かれたことで、全部きれいごとにする組み立て方には限界があると気づきました。
正直な要素を一つ持っておき、それを前向きな行動につなげる。この形にしてから、深掘りされても崩れにくくなりました。
本記事は筆者の実体験をもとに書いています。転職エージェントや採用担当者の公式見解ではありません。