2026年5月更新
40代IT転職で提示年収に差が出る理由
選考が進んで提示をもらうようになって、一番面食らったのが金額のばらつきでした。
同じ経歴で受けているのに、会社によって提示が違う。
下は現年収割れ、上は百万円以上の差。
なぜここまで開くのか、振り返って整理してみます。
年収を下げる覚悟の話は年収を下げる覚悟は必要だったかに書きました。
ここでは、その提示額がなぜ会社ごとに差が出たのか、に絞って振り返ります。
同じ経歴でも提示額が違った
当たり前ですが、自分の経歴は受ける会社が変わっても同じです。同じ職務経歴書を出し、同じような話を面接でしている。それなのに、出てくる提示はばらばらでした。
最初に提示を3社並べたとき、一番低い会社と一番高い会社で百万円以上の差がありました。同じ経歴、同じ面接の準備で、なぜこんなに違うのか。最初は「自分の評価が定まっていないのかな」と不安になりました。でも、何社か並べて見るうちに、差の原因はこちらより相手側にあると分かってきました。提示額は、自分の価値そのものというより、相手の事情との掛け算でした。
数十万円から百万円以上の差
実際の幅は、想像よりずっと大きかったです。低い会社と高い会社で、ベースだけで百万円以上違うこともありました。月額に直すと、毎月の手取りがはっきり変わる差です。
この幅を知らないまま最初の提示で決めていたら、損をしていたと思います。複数社を並行して進めていたから、相場感がつかめました。一社だけ受けて「こんなものか」と判断するのは危ない、と感じました。並行で動く意味は、応募の話とも重なります(応募数を増やして分かったこと)。
企業規模による違い
規模による傾向は、はっきりありました。
- 大手・準大手:給与テーブルがあり、年齢や等級で枠が決まる
- 中堅:枠はあるが、ポジションによって動かせる余地がある
- スタートアップ寄り:裁量が大きく、強気にも慎重にも振れる
大手は安定している代わりに、テーブルの上限を超えた提示はまず出ませんでした。交渉しても、枠の中での話です。中堅や成長中の会社は、必要としているポジションだと枠を超えてくることもありました。ある大手系の会社に交渉を試みたとき、「等級の上限があるので」と丁寧に断られました。規模が大きいほど高い、という単純な話ではありませんでした。
業界による違い
業界でも提示の水準は変わりました。人材の取り合いになっている業界は、全体的に提示が高めでした。人が足りていて落ち着いている業界は、相場の範囲に収まる。
同じPMでも、どの業界のシステムに関わってきたかで見られ方が違います。相手の業界に近い経験があると、提示も伸びやすかったです。ある会社では「この業界のPMはなかなかいないので、こちらで出せる最大を提示しました」と言われたことがありました。「業種×経験」で評価される構造は転職の現実に書いた通りで、これは年収にも直結していました。
求人の緊急度
意外と効いていたのが、求人の緊急度でした。「すぐに人が欲しい」会社は、条件を引き上げてでも採ろうとします。逆に、急いでいない会社は、相場どおりか、やや慎重な提示でした。
同じ自分が同じ話をしても、相手の切迫度で金額が変わる。これは自分の実力とは関係のない部分です。エージェントに「この求人は欠員補充で急いでいます」と教えてもらった案件は、確かに提示が高めでした。タイミングよく、人を強く求めている会社に当たれば、提示は伸びました。縁とタイミングの要素も、正直あったと思います。
PM経験の評価のされ方
提示が伸びた会社は、PM経験を即戦力として見てくれた会社でした。プロジェクトを任せられる人が足りない。現場も分かって、調整もできる人が欲しい。こういうニーズに噛み合うと、年齢はマイナスになりませんでした。
逆に、PMをそこまで重く見ていない会社では、経験があっても提示は普通でした。同じPM経験でも、相手が必要としているかどうかで価値が変わる。評価された経験の中身は想像以上に評価された経験に書きましたが、評価する会社では金額にも反映されました。
面接での伝え方でも変わった
提示は、面接での伝え方でも動いたと感じます。自分の経験を、相手の課題に結びつけて話せた会社は、提示が良かったです。「この人なら、うちの困りごとを任せられる」と思ってもらえると、条件もついてくる。
逆に、経験を並べただけで終わった面接は、提示も普通でした。同じ経歴でも、相手にとっての価値に翻訳できたかどうかで差が出ました。ある面接で「うちが今一番困っているのは〇〇です」と相手が話してくれたとき、「それは自分がやってきたことと近いです」と具体的につないだら、後日の提示が明らかに高かった。相手の言葉を受けて返せたことが効いた気がします。面接でどう見られていたかは一次面接で見られていたことに書いた通りで、ここが年収にも効いていたと思います。
市場価値は一つではないと感じた
提示の幅を見て、強く思ったのは「自分の市場価値は一つの数字ではない」ということでした。ある会社では低く、別の会社では高い。どちらも同じ自分です。価値は固定された値段ではなく、相手によって変わる相対的なものでした。
なので、一社の低い提示で「自分はこの程度か」と落ち込む必要はありませんでした。それは、その会社との噛み合わせがよくなかっただけです。市場価値をどう捉えたかは市場価値をどう判断したかに詳しく書きました。
まとめ
提示年収に差が出た理由を振り返ると、
- 企業規模で給与テーブルの固さが違う
- 業界の人材需給で水準が変わる
- 求人の緊急度で引き上げが起きる
- PM経験を必要としているかで評価が変わる
- 面接で相手の課題に結びつけられたかで動く
提示額は、自分の価値だけで決まっていませんでした。相手の事情とタイミング、そして伝え方の掛け算です。だからこそ、一社だけで判断せず、複数の提示を並べて見るのが現実的でした。低い提示が来ても、それが自分の全てではないと思えるようになりました。
年収を下げる覚悟は年収を下げる覚悟は必要だったか、年収の実際は年収はどう変わったかにまとめています。
本記事は筆者の実体験をもとに書いています。転職エージェントや採用担当者の公式見解ではありません。
